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R33 GT-R 400R ─ 伝説の一台が繋いだご縁と信頼 前編:一通のメールから始まった、納車プロジェクト
ある日、業務中に届いた一通のメッセージが、すべての始まりだった。
「R33 GT-R 400Rの購入を希望します。」
目を疑った。まさか、あの400Rが日本国内で販売できる日が来るとは思っていなかった。
お問い合わせいただいたのは東海地方にお住まいのM様。
このような特別な個体は、通常であれば海外からの引き合いがほとんど。私たち自身も「この車両はきっと海外に旅立つだろう」と思っていた。
しかし、その想定は良い意味で裏切られた。
M様からのご連絡はネット媒体経由。数回にわたるメッセージのやり取りを経て、ウェブ商談へと進んだ。
画面越しに交わした会話の中で、お客様の熱意と想い、そして400Rに対する深い理解がストレートに伝わってきた。
そして迎えた契約の瞬間。
正直に言うと、私は手が震えていた。
この伝説の一台が、日本国内の真のかエンスージアストの元へ渡る。その架け橋を私が担うことになるとは、想像すらしていなかった。
この瞬間から、トップランククラシックスペシャリティーズ(TCS)の全スタッフが納車に向けて一丸となって動き始めた。
まずは整備。
弊社の腕利きのメカニックの上石が中心となり、入念な点検とメンテナンスが進められた。
オイル、冷却系、電装、ブレーキなど、消耗品のチェックと交換をはじめ、車両全体に目を通していく。
R33 GT-R 400Rは、NISMOが手掛けた正真正銘のコンプリートカー。
RB-X GT2エンジン、専用タービン、専用サスペンション、ボディ補強など、全身が“特別”で構成された存在である。
だからこそ、通常の整備以上に、神経を研ぎ澄ます必要があった。
そして車検。
構造変更が入った400Rは、いわゆる“特殊車両”にあたる。書類の準備から実車確認まで、万全を期して臨んだ。
正直に言えば不安もあったが、整備チームの技術と経験によって、無事に合格を果たすことができた。
こうして納車に向けた準備は、いよいよ最終段階に入った。
