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今回ご紹介するのは、日産とNISMOが共同で開発・生産した「NISMO 400R」。
1996年、当時のスカイラインGT-R(BCNR33)をベースに、NISMOが市販化したメーカー直系ワークスコンプリートカーであり、国内自動車史の中でも非常に重要な意味を持つ一台です。
正式に生産されたのはわずか44台前後とされており、現存数は極めて限られています。その中でも今回ご紹介する個体は、ソニックシルバー(KR4)に彩られた希少な一台であり、外装・内装・機関ともに良好なコンディションを保っています。
NISMOが造り上げた「日本発のコンプリートカー」
NISMO 400Rは、従来の「カスタムカー」や「限定車」とは一線を画す、日産ワークス直系のパフォーマンスカーです。
NISMOがエンジン、駆動系、足回り、エアロパーツに至るまでフルコンプリートで製作し、「400R」として専用名称が与えられたこの車両は、量産車に準じた品質管理と信頼性を備えながら、モータースポーツ直系のパフォーマンスを有しています。
これは、日産が本格的なコンプリートカー文化を公道向けに初めて展開した象徴的なプロジェクトであり、後のGT-R NISMOシリーズやフェアレディZ NISMOにも通じるDNAの起点とも言える存在です。
REINIKとNISMOが手掛けた「RB‑X GT2」エンジン
搭載されているエンジン「RB‑X GT2」は、名機RB26DETTをベースに、日産のエンジン製造部門である**日産工機(REINIK)**がNISMOと共同で開発した特別仕様ユニットです。
REINIKは日産のモータースポーツ部門において、グループAやル・マンなど競技専用車両のエンジンを多数手掛けてきた技術集団であり、400Rの心臓部はその高度なノウハウの結晶といえます。
RB‑X GT2には、ボア拡大に対応した強化シリンダーブロック、最適化された燃焼室設計、鍛造ピストン、専用クランクシャフト、強化コンロッドが採用され、N1タービンや高効率吸排気系と組み合わせることで、公称400馬力を安定的に発揮します。
さらに、オイルクーラーやスポーツインタークーラー、チタン製デュアルマフラーなど、冷却・耐久面にも抜かりがなく、まさに“レースで鍛えられたエンジン”として仕上げられています。
特筆すべきは、このRB-X GT2で採用された各種手法が、後にRB26チューニングにおける基礎となっていった点です。すなわち、400Rは単なる限定GT-Rではなく、“RB26チューニング文化の礎”とも言える存在です。
足回り・駆動系も妥協なき構成
足回りにはENP製造のBilsteinダンパーを採用。加えて、カーボンドライブシャフト、ツインプレートクラッチ、ブレーキ系強化など、本格的な競技志向の装備が惜しみなく投入されています。
これらのパーツ構成により、400Rは単なるストリートカーではなく、サーキットやワインディングでも即戦力として機能するポテンシャルを備えています。
専用設計のエアロとインテリアが生む存在感
外装はすべて400R専用設計で構成されています。ドライカーボン製LMボンネット、エアインテーク付き専用フロントバンパー、ブレーキ&オイルクーラー用ダクト、サイドスカート、リアバンパー、可変式リアウイングに至るまで、全身が「走るための機能美」で統一されています。
ホイールにはNISMO LM-GT1とワイドタイヤを装着。視覚的インパクトと走行性能を高次元で融合しています。
内装は専用コンビネーションメーター、三連サブメーター、400Rロゴ入りステアリングホイール、ホーンボタン、チタンシフトノブ、専用バケットシートを採用し、ドライバーを“走る気持ち”へと自然に導きます。
なぜ今、400Rを手にすべきか
400Rは、単なる「R33 GT-Rの特別仕様」ではありません。
日産のワークス部門であるNISMOと、そのエンジン技術の中核であったREINIKが手掛けた、正真正銘の「メーカー公認コンプリートカー」です。
極めて少ない生産台数、レーシング直系の設計思想、そしてRBチューニングの歴史を支えた技術的系譜という点において、400Rは間違いなくコレクターズアイテムとしての価値を持っています。
しかもそれは、“ただ保管する車”ではなく、“実際に走らせることができるレーシングGT”であるという点で、唯一無二の存在なのです。
国内外のマーケットにおいて400Rの流通は年々減少傾向にあり、今後その価値は一層高まることが予想されます。
この歴史的な一台を手にするチャンスを、ぜひお見逃しなく。
ご興味のある方は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。実車をご覧いただければ、400Rの本質的な魅力を必ず実感していただけるはずです。